【つよつよ技科大生第1弾!!】技科大祭で活躍した注文管理システム「murchace」を開発したコンピュータクラブの実態に迫る!!
はじめに
「コンピューターが好きなもの同士の憩いの場」
そんな思いで活動しているコンピュータクラブですが、多くの人から“プログラミングのガチ勢が集まっている”というイメージを持たれがちです。
しかし、実際には活動内容があまり知られていないのが現状で、サークルの魅力や取り組みが伝わりきれていないのかもしれません。
そこで今回は、喫茶部と協力して開発し、実際に技科大祭で活躍した注文管理システム「murchace」のプロジェクトに迫りつつ、コンピュータークラブがどんなサークルなのか探っていきたいと思います。
今回、インタビューを受けてくださるのは「murchace」のプロジェクトに深く携わっていた小野寺さんと阿部さんのお二人です!
(ライター:岩隈)
プロフィール
小野寺幹太さん
学部3年 情報・知能工学課程
北海道出身で高校から2022年度に技科大に進学。2023年にはコンピュータクラブの部長とWEB班の班長を務めており、今のコンピュータクラブを形作ってきた方の一人。多くのPCを所持し、普段はサーバーで遊んだりとインフラ関連の技術に触れている。実はテクノ部の配信とかのネットワークの担当もしていたりする。
阿部雄剛さん
学部4年 情報・知能工学課程 計算機システム性能工学研究室に所属
山形県の鶴岡高専出身。コンピュータクラブには2023年の10月頃ぐらいに入部。高専二年生の頃にJavaScriptからプログラミングを始める。その後フロントエンドやバックエンドと触ってきたがプログラミン言語自体に興味が湧き始めどんどんと沼にハマっていった。最近はRustを触っている。また、OSはArch Linuxを使用しており自分のこだわりを詰め込んでいる。テクラボ班の班長、会計を務めていた。そして、今回紹介する「murchace」というプロジェクトを牽引している。
コンピューターが好きなもの同士の憩いの場
岩隈
小野寺さん、阿部さん、本日はお時間いただきありがとうございます。
早速ですが、コンピュータークラブはどのようなサークルなのでしょうか?
コンピュータに関することを手広くやっている印象はありますが、実際にどのようなことをしているのか気になっています。
小野寺さん
割と楽しく、コンピュータと仲良くやっているコミュニティという感じです。
コンピューターに関することなら何でもやるサークルで、活動内容は本当に幅広く、メンバーそれぞれが興味のあることを自由に取り組んでいます。
例えば、インフラ系やウェブアプリの開発、ゲーム制作、セキュリティ関連の勉強などですね。
僕自身は家のネットワーク環境を構築したり、サーバーを立てたりしています。
3系の人が毎年多く所属していて95%くらいは3系でその他の系がちらほらって感じですね。
岩隈
お二人はどういうことをやられているんでしょうか?
小野寺さん
僕は元々部長とWEB班の班長を兼任していました。
活動形態として5つの班[1]に分かれています。部員の興味によって班の増減があるため、今後は4つになるかもしれないです。
部長一人だとまとめきれないので、それぞれの班を班長がまとめています。
班長は、買いたい物品などの意見などをまとめてそれぞれの班長同士で話し合い、サークルとして決めないといけないことを決めています。
阿部さん
私はテクラボ班の班長とサークルの会計を務めていました。
現在、二人とも班長ですが来期は変わる可能性があるためどうなるかはまだ決まっていません。
[1] 5つの班について軽く紹介
-
WEB
- WEBアプリの開発、サイト制作
- ※今回の「murchace」開発を担当
-
インフラ
- クラウドAWS、データベースとかネットワーク関連
-
ゲーム
- VR、アンリアルエンジン、Unity 等
- ※所属人数が最も多い
-
CG
- 3Dモデリング、blender 等
- ※ゲーム班から派生
-
テクラボ
- CTF、kaggle 等
- ※上記の4つの班以外のその他の活動をまとめている
岩隈
ありがとうございます。
私自身もコンピュータクラブに所属しているのでお二人が幅広く活動していることは知っていましたが、班長も務めていたことには驚きました。
では次に、コンピュータクラブの他のサークルとは異なる特徴だったり、魅力だったりを教えてください!
小野寺さん
やはり、自分の好きなことをとことん追求できるところですね。
みんながそれぞれ得意分野を持っていて、技術的な話で盛り上がることができます。
また、機材や設備にあまり制約がないので、やりたいことをすぐに始められます。
加えて、初心者向けの勉強会や、先輩がサポートする体制もあるので
興味がある方は、初心者問わず誰でも歓迎していますね!
あとは、人が多いということもあり総部会からの予算が降りるので予算が潤沢です。
阿部さん
予算が潤沢なのはまた違った理由も・・・笑
小野寺さん
(笑)なんて言えばいいんだろう。
あんまりみんなが欲しいって言わないこともあり、誰かがこれ欲しい!って言えばそれが通りますね。
ソフトウェア開発だとみんな自分のPCでやるから必要なものってのがないんですよね。
ゲームのコントローラーとかそういうのをやりたい人は、これが欲しいとかの主張をすればだいたい通っています。
去年はVRゴーグルが壊れたので新しく買いました。
さらに、今年は繰越金を使って23万円のPCを一台購入しました!
阿部さん
ソフトウェアで完結したことをやろうとするとお金かかんないですよね。
23万のPCが通ったのはビビりました笑
岩隈
繰越金のやつは確か1回採択されたら2年は申請できないやつですよね。
今回お聞きしたい「murchace」の話にも関わってきますが、プロジェクトの発足や進め方はどのような感じでしょうか?
やりたい人いませんか、と言う感じで人を集めるのか、これ一緒にやってくれないかってスカウトするのかどっちなのでしょうか?
小野寺さん
基本的にみんなでプロジェクトをやっていこう!と言う形ではなくて、プロジェクトができたらやりたい人を集めて動き出すと言う形です。
プロジェクト自体は自分たちでこれやりたい!と企画するものもありますし、今回の「murchace」みたいに他所からお願いされて立ち上げることもあります。
ただ、あんまりいいプロジェクトがなかなかないというのが現状の課題かなと思っています。
喫茶部の注文管理に革新を。コンピュータクラブが開発した「murchace」について
実際のmurachaceの画面のスクショです!
岩隈
では、名前が出てきていた「murchace」についてお聞きしていきます!
実際に私も喫茶部として触っていて、とても使いやすく便利だったので詳しく聞いていきたいです。
改めて「murchace」とは、どういうものでしょうか?
小野寺さん
GitHubのREADME[2] にも書いてありますが、一言で言うと「賢く注文を捌くシステム」です。
開発のきっかけは、喫茶部の部門長と同期で仲が良くて、彼らから技科大祭での注文管理が大変だという話を聞いたからです。
紅茶やコーヒーは抽出に時間がかかり、注文が重なると誰が何を頼んだのか把握するのが難しくなります。
そこで、システムで解決できないかと考え、コンピュータークラブのプロジェクトとして取り組むことにしました。
[2] GitHub: プログラミングのコードを管理するサービスです。
READMEとは、GitHubの中でコードがどのようなものかを説明していたり使い方を書いていたりと仕様書的な役割をしているドキュメントになります。
murchaceのGitHubリンク:https://github.com/tut-cc/murchace
阿部さん
名前の由来としては、「purchase(購入する)」と「merchandise(商品)」を組み合わせ、さらに「ace(秀でている)」を加えた造語となっています。
私たちは「マーチェス」と読んでいます。
名前自体は候補を出してメンバーのみんなで話し合い、これがいいよねってことで決まりました。
デモを小野寺さんが触れるようにしてくれているので是非見てみてください。
[2] GitHub: デモのリンクを作っていただけたので気になった方はこちらからみてみてください。
muechaceのデモリンク:https://murchace.ddlia.com/
岩隈
初めてみた時はmurchanceに見えてずっとマーチャンスって呼んでて、恥ずかしくなったのを思い出しました笑
ちなみに、こちらの開発は先ほどの班で言うとどの班の活動にあたるのでしょうか?
小野寺さん
WEB班にあたります。
メンバーとしてはB1、B3、B4が二人ずつの計6人で開発を行いました。
開発の流れとしては、雛形を阿部さんが作ってくれていて、改修というか、こういうissueがあるから解決していこうね。
という形でissueごとに分担して進めていきました。
阿部さん
そうですね、4月くらいから基本的な部分を私が開発しました。
その後、興味を持ったメンバーが参加してくれて、夏休みから本格的に開発が進みました。
初心者のメンバーもいたので、教えながら進めていきました。
小野寺さん
開発にはB1(1年生)のメンバーも参加してくれて、タスクを分担しながら進めました。
阿部さんが中心となって、Gitの使い方や開発フローを教えてくれました。
岩隈
なるほど、開発中に苦労した点はありましたか?
阿部さん
私自身もですが、チーム開発の経験が浅いメンバーもいたので、Gitのコンフリクト解決や開発フローの理解に時間がかかりました。
基本的には、ミーティングやDiscordでのやり取りを通じて、コミュニケーションをとっていました。
ですが、テキストだけでのコミュニケーションでは伝わりにくい部分もあり、画面共有を使って説明することでコミュニケーションが円滑に進んだと思います。
岩隈
ここはこだわった!みたいな部分とか技術的な話を聞かせてください!
自分も開発を行っている身なので、技術的な面も気になっています。
阿部さん
バックエンドにはPythonのFastAPIを使用し、フロントエンドはhtmxというライブラリを使っています。
HTMLの機能を最大限に活用して、JavaScriptのコード量を最小限に抑えることで、開発効率を上げました。
小野寺さん
各メンバーや本番環境のOSの違いが想定されていたため、Dockerコンテナを使用しました。
MacやWindows、Linuxといった異なるOS間でも同じ環境を再現できるようになりチームでの開発がスムーズになりました。
阿部さん
細かい技術的な話をしたいところですが、ボリュームがすごくなりそうなのでコンピュータクラブのホームページにて技術記事を掲載するのはどうでしょうか?
岩隈
確かに!それはめっちゃいいですね。ぜひお願いしたいです!
個人的にも興味があるので読ませてください!
コンピュータクラブのホームページにて「murchace」の技術記事を書いていただけました!
こちらのリンクからアクセスできます!
https://blog.tut-cc.org/posts/how-murchace-strives-to-be-simple-or-else/
実際に2024年度の技科大祭で使用してもらった!
岩隈
実際に技科大祭で運用してみて、反響はいかがだったでしょうか?
小野寺さん
喫茶部からは「注文管理が格段に楽になった」と好評でした。
色分けされた注文の表示や、リアルタイムの注文状況が特に好評の声をいただきました。
特に、自分が作った統計部分に対する好評の声をいただけたというのが嬉しかったです。
阿部さん
ユーザーから直接感謝の言葉をいただけたのは嬉しかったですね。
これまで個人的な開発はしてきましたが、どれも作って終わりというものが多かったです。
実際に誰かの役に立つものを作り、それが評価される経験ということで本当にやって良かったと思っています。
あとは、機能追加や改善点などもいただけたのでこの声を元に開発も続けていきたいと思っています。
岩隈
実際にユーザーからフィードバックをもらえるという経験はなかなかできないですよね。
もっと使いやすくなると思うとこれからが楽しみです!
機能追加を考えているということですが、今後は「murchace」をどのように展開していく予定でしょうか?
小野寺さん
改善点も見つかっているので、引き続き開発を続けていきたいと思っています。
来年はコンピュータクラブでも、もしかしたら使うことになる可能性もあるので笑
阿部さん
喫茶部に特化して開発したという訳ではなく一般的な要求に対応することを意識して開発しました。
なので、他のサークルやイベントでも活用してもらえると嬉しいですね。
ライセンスも付与しているので一般にも使えるようにしていたり。笑
小野寺さん
コンテナで動かしてるので、コマンド2発くらいで動かせるようにもなっています。
岩隈
もしかしたら、来年の技科大祭はこのシステムが模擬店で多く導入されているかもしれないってことですね。
これぞ技術って感じでワクワクしてきました笑
楽しみにしています!
コンピューターが好きな人たちが集まるコミュニティ
岩隈
では最後になりますが、改めて、コンピュータークラブの魅力や参加を検討している人へのメッセージをお願いします。
小野寺さん
コンピューターが好きな人たちが集まるコミュニティなので、同じ興味を持つ仲間と出会えるのが大きな魅力です。
自分自身、周りにコンピュータが好きな人って少ないと高校の時に感じていました。
好きな人が集まっているからこそできることってあると思うので、コンピューターが好きって方にはうってつけだと思います!
興味がある人も気軽にきていただけたらと思います。
阿部さん
初心者の方も多数所属していますし、勉強会なども行なっています。
これから興味があって学んでいきたいという方にも気軽に参加してみて欲しいです。
小野寺さん
コンピュータークラブって聞くと、みんなガチガチにプログラミングしているイメージで活動にこなくなっちゃう方もいます。
ですが、みんなのスタンスとしてはみんな好きなことをやろうみたいな雰囲気で、全然そんなこともないんですよね。
くだらないこととかも話してたりと緩い雰囲気ですね。
阿部さん
コンピュータといっても広いので、他の人がどういうことをやっているのかとか気になったりしていたので、そういう話を聞けるのも面白いと思っています。
私はコンピュータのことを話せる人と深く話したいという目的で入りました。
こういう環境を求めている人にはおすすめです。
岩隈
本当にコンピュータを好きで、そういうコミュニティを求めている方や興味を持っている方は、ぜひコンピュータクラブに!という思いが伝わってきました。
今日は貴重なお話をありがとうございました。
これからの活躍も楽しみにしています!
興味を持ってくださった方へ
コンピュータクラブでは、新入生を随時募集しています!
普段どんなことをしているのかなどより詳しく知りたい!など部室どんな感じ?など気軽にご連絡してください!
ちなみに、部室は、ホームページの「部室の様子」で360度見ることができます!
興味を持っていただいた方は、以下のメールアドレスにご連絡ください!
メールアドレス:cclub.tut@gmail.com
各種リンクまとめ
murchaceの関連リンク
GitHubのリポジトリ: https://github.com/tut-cc/murchace
デモリンク: https://murchace.ddlia.com/
技術記事リンク: https://blog.tut-cc.org/posts/how-murchace-strives-to-be-simple-or-else/
コンピュータクラブ関連のリンク
ホームページ: https://tut-cc.org/
GitHub: https://github.com/tut-cc
Twitter: https://x.com/TUT_CClub
メールアドレス: cclub.tut@gmail.com
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