2系じゃない?関係ない。"半導体"を知れ
なぜ、"半導体"にこだわるのか
初めまして、名前はYoutubeで公開していないためちょっと伏せさせていただきますが、
豊橋技術科学大学の2系修士を2023年度で卒業した者です。
キャンパスコンパスの開発者と知り合いということもあり、"半導体"の魅力に迫りつつ自分のYoutubeの宣伝をしにきました。
僕は2系の集積電子グループを卒業していますが、実は半導体を知ったのは高専の4年と比較的最近でした。
講義を聞いていた時は「なんだか難しいしよくわからない」みたいなイメージでした。笑
しかし、高専卒業後の進路を考えていた時、ある一本の動画と出会いました。
「日本はかつては半導体立国だった!!」「しかし現在は衰退してしまった!!」
というような内容から、僕は「どうして日本の半導体産業は衰退してしまったんだろう」という知識欲に駆られ、半導体業界について深く調べるようになりました。
そして、調べれば調べるほど、半導体には講義だけでは語られていない「魅力」がたくさんあると感じ、その魅力に惹かれていきます。
その後、半導体についてより深く学ぶため、豊橋技術科学大学に編入しました。
B4になり、研究室に入り半導体の魅力にさらに気づいていったんです。
この「魅力」をより多くの人に伝えるため、さらに半導体に興味を持った人達の学習を手助けするためにYoutubeチャンネルを立ち上げました。
魅力、魅力うるせーよと、ですが、
半導体について知ってもらえるだけでも嬉しいので、是非とも最後まで読んでいただけると幸いです。
正直この場だけでは、魅力を全部伝えるのは難しいです。
なので、半導体とは.からはじめ学習方法に触れて少しでも知るきっかけにしていきたいと思います。
日常生活を支える半導体
2020年のパンデミック以後、ニュースやネット記事で「半導体」という名前を見かけることが増えました。
半導体は実際に目にする機会こそ少ないですが、日常生活の中に溢れていて、現代社会を支えています。
例えばみなさんが今持っているスマートフォンやパソコン、そして電化製品、電車、自動車、発電所に通信インフラなど…。
半導体は、電気が使われるほぼ全ての製品に使用されています。
また、近年話題の生成AIや自動運転では高機能な処理を行えるロジック半導体やデータセンターで膨大な半導体メモリが使用されることから需要も急拡大しています。
SEMI(国際半導体製造装置協会:Semiconductor Equipment and Materals Internatinal)やドイツ電気・電子工業連盟によると半導体市場は2030年には約1兆ドル(約150兆円)規模に達すると推測されています。
半導体は私たちの生活をより便利にし、現代社会においてはインフラの一つとして数えられるようになりました。
半導体を学ぶには...
そんな半導体ですが技術は複雑で、その製造過程や動作原理を理解するには専門的な知識が必要です。
幸い、豊橋技術科学大学にはIRES2-2, VBL, LSI工場という大学の施設として日本最大規模の半導体工場があります。
研究室の学生は工場での実習や講義を通じて非常にレベルの高い環境で半導体を学習することができます。
しかし、教科書や講義で学ぶことができるのは基本的に普遍的な事実のみです。
半導体の基礎を学ぶには確実ですが、最新の業界動向や技術を学ぶには向いていません。
特に、半導体業界は2〜3年ごとに新しい製品が登場するため、教科書や講義で得られない最新情報は自分で探すしかありません。
また、コースや研究室によっては満足に半導体の学習ができない可能性もあります。
今回は学年やコース、研究室を問わず半導体を学習できる手段をご紹介します。
書籍
書籍はもっとも古典的な学習方法の一つです。
情報量が多く、一つの事象や物事に対して適切な順序で解説されていることが一般的であるため、時間をかけてしっかり学びたい方にとって最もオススメな学習方法です。
今回は半導体を学習する上で、非常に優良な書籍を2冊紹介します。
今と未来がわかる半導体(ビジュアル図鑑)|ずーぼ(著)
1冊目はYouTuberである ずーぼ氏著の『今と未来がわかる半導体』です!
そもそも半導体とは何か、というライトな内容から原理、製造技術、業界までをフルカラーの豊富な図と共に学ぶことができる、いわば半導体入門書の決定版です。
見開き2ページにつき一つのテーマを扱うという構成なため、知りたい情報にすぐにアクセスできるのがこの本の素晴らしいところです。
「これってどういう意味だっけ?」となった際に復習として使ったり、初心者への説明用に一冊持っておくのもアリです。
価格も2,000円と手頃なため、半導体を学ぶすべての方が持っておいて損をしない一冊だと思います。
半導体デバイス: 基礎理論とプロセス技術
2冊目はS. M. ジー先生著の『半導体デバイス: 基礎理論とプロセス技術』です!
半導体デバイスにおける物理現象と作製技術のほとんどを網羅した、技術者向けの入門書です。半導体を専門的に学ぶ学生はほとんどがこの書籍を軸として学習を進めており、業界でも非常に権威のある一冊として知られています。
価格は比較的高価ですが、半導体をしっかり学ぶための導入としてこれ以上ない一冊であり、逆に言えば半導体を極める上で避けては通れない、いわば登竜門的な存在となっています。
半導体に深い関心があり、業界を志す方にはぜひ手に取り、半導体産業が重ねてきた半世紀の重みを肌で感じて欲しいところです。(というか実際に重い。。。)
ウェブサイト
ウェブサイトや企業が提供するeラーニングサービスではお金をかけず半導体の学習ができます。
これらは気軽にアクセスすることができ、アニメーションや多彩な図でみなさんの学習をサポートします。
今回ご紹介したい優良なサイトが以下の2つです。
- 半導体雲端學院
- Semi-journal
半導體雲端學院
世界最大の半導体受託製造会社TSMCが提供する『半導體雲端學院(Semiconductor Cloud Acadmy)』は学生のキャリアをサポートする目的で作られたeラーニングサービスです。
登録を行うだけでアニメーションやクイズを通じて楽しく半導体を学ぶことができます。
中国語と英語だけでなく日本語にも完全対応しており、音声や教材を第一言語で視聴することができるサイトです。
利用できるのが学生のみであるという制限はあるものの、非常に質が高く、また入門者向けに丁寧にコンテンツが作られていることから、学生のうちに使い倒してしまうことをオススメします。
半導體雲端學院(Semiconductor Cloud Acadmy)
Semi-journal
『Semi-journal』は日本最大級の半導体ポータルサイトです。
半導体についての情報を網羅的に調べることができる視認性の良さが特徴的で、半導体の原理から製造工程まで様々な技術が解説されています。
さらに、半導体を学ぶ上でおすすめの書籍や最新のニュースなど幅広い業界情報を掲載されています。
また、企業研究も行なっているため就職活動時の業界研究にも使えるという、非の打ち所がない...
実は、下記に紹介するセミコンアカデミーと協業しており、今後更なるコンテンツの拡充が見込まれます。
セミコンアカデミーで楽しく半導体を学ぼう!
半導体を学ぶ方法を紹介してきましたが、
もっと半導体について学びたい!
半導体を学ぶ仲間が欲しい!
という方はぜひ『Semicon Academy(セミコンアカデミー)』をご覧ください!
セミコンアカデミーは豊橋技科大卒の現役半導体エンジニアが運営するYouTubeチャンネルです。
YouTubeとX(旧Twitter)を中心に半導体の業界情報や技術的な知見を発信しており、基本から応用まで、幅広いトピックを手軽に理解するのに役立ちます。
また、学習が難しい内容であってもセミコンアカデミーでは動画を通じて視覚的に学ぶことができます。
さらにライブ配信でリアルタイムに質問を行なったり、半導体業界に興味を持っている視聴者同士でX(旧Twitter)でコミュニケーションを取るなど、書籍やeラーニングにはないメリットもございます。
同じ志を持つ仲間と切磋琢磨しながら楽しく半導体を学ぶことができるのがセミコンアカデミー最大の魅力と言えます。
また、今後はSemi-journalと協業で入門者の学習に特化した学習動画やコミュニティの解説も予定しております。最新情報はXのアカウントをフォローしてお待ちください。
おすすめ動画